姫でもないし、騎士でもない。



「うっ!!……ぐわっ!!!?」

「だから言ってるよね?
俺に向かって喧嘩売ってきても────お前らは負けるから」

まるで、蜂重と有明アリアに向かって言ってそうな言い方をした、拳を奮う黒瀬拓也。

何もかも分からない私。
Tシャツ、いや、ブラウスを掴みながら、私は見るだけ。


「……調子乗りやがって!!」

ある一人の男が黒瀬拓也の顔に向かって拳をお見舞いしようとしたところ。

「……うるせえ。
お前らだろ。日向晴翔を遊ぶなんて────な゛?」

黒瀬拓也の目つきが変わった。

「俺が一番に守るって決めたんだよ」

三人衆は何が起こったかも分からない。

殴ろうとした男はすぐに、拳を引っ込める。


「……!!!!?」

すごく嫌な身震いが黒瀬拓也を見るとなる。

「お前ら。
……晴翔に───十夏に────何したか分かってるよなあああ!!?
あ゛ぁ゛!!!?」

黒瀬拓也の大声が空き教室に、その廊下にも響いた。

響いた声を聞いた三人衆はぴったり合わせて、出して言った。
「……ひっ!!?」と。


「お前らを──── 一生。
後悔させてやろう」

ゴキゴキっ。なんて両手の関節を鳴らす、黒瀬拓也。


「すすす、す、すいませんでしたぁ〜〜〜〜〜〜!!!」
なんて扉を開けて、廊下を走って去って行った。


そして、この翌日。

3組の『姫』=有明財閥の孫、有明アリア。白蝦製薬の跡取り息子、白蝦蜂重。
同二名。学園の校長から、退学処分を下された。

一部の噂によると、黒瀬拓也が、全部手を回したらしい。