「あ、あの…!!黒瀬!」
「……何?」
怖っ……!?
「あ、あのさ、戻ろう?あともうちょっとで終わっちゃうよ!5限目」
落ち着かせよう。
マジで、落ち着かせよう。
黒瀬拓也が今────マジで、大悪魔になってるから!
顔も、雰囲気も!
瞳は綺麗にくっきり、相手を威嚇するような瞳になっていて。
怖い!怖い!
だから────ねっ?
──── 一緒に帰ろう?
「……そうだな」
「……うんっ!帰ろ!帰ろ!
あっ、蜂重、迷惑をかけたな!また、話そうぜ!どこかで!」
「あ、う、うん…」
「じゃっ!」
私は黒瀬拓也を連れて、最後の時限を受けに行った。
5時限目も、最後の時限も、同じ体育なので、問題は少しだけあるが。
今日は、多めに見といた方がいい気がする。
そんなことを私は、黒瀬拓也を見て、思ったのだった。