「大丈夫でした?」

あぁ。まだ見えてなかった。
白蝦蜂重さんのお顔。

綺麗だな〜。

丸いメガネをかけ、韓流のアイドルなのかというぐらいの綺麗で、
端正なお顔で、とても真面目そうだ。

綺麗な金髪が輝いている。そして、赤色のネクタイも。

「は、はい!……な、何回も言ってくれるなんて、
お優しいですね」

「……優しいですか?そうですか…嬉しいです」

うわっ!!
綺麗な笑顔!!

黒瀬拓也とは大違い!

天使ですか……?大天使降臨ですか……?

「ふふっ…かっこいいですね?えーと……「蜂重で良いです」

私は無意識だった。
日向晴翔から、日向十夏に変わるなんて。

「そ、そうですか……え、蜂重?」

「そうです!よろしくお願────「ねえ、何、良い空気作ってんの〜?」

……!?
肝心の黒瀬拓也忘れてた!!

「………」

「ふ〜ん…晴翔。沈黙だねー…帰ったら、分かるよね…?」


そこに悪い空気になると思って、蜂重がやって来るのに。

「!?……や、やめた方がいいんじゃ……「黙ってろ」

黒瀬拓也は、他人が黙ってないと────

「…っ!?」

ちょっ……その大悪魔みたいな顔、見せたら、下がらない!?
ホテルの株価…!!

「────お前は……俺の『姫』に手を出すな」

──────『騎士』は、『大悪魔』に変わる。

そんなことを心の中で私は思った。