「あ、ありがとうございます。……手、大丈夫です」

私はお尻をパンパンとはたきながら、立つ。
そしてその途中、私は黒瀬拓也の口を塞いだ手を離していた。


「では、また────ご、ごきげんよう」

早く!退散、したい!
黒瀬拓也のにっこり(営業)笑顔はもう見たくない!

だし、『姫』みんな、瞳、ハート型になってない!?

だから早く────

「……?……それは、『姫』が使う言葉では────?」


────やばっ!?

ド、ド、どうしよう……!?

「ごめんなさいね〜。守鳴。こいつ、馬鹿らしいから」
わしわしっ!なんて音が私の髪から響く。

「うっ……ちょっ!?黒瀬!?」

なんて男っぽく言う私。

咄嗟に出た私。ナイス!
と思っていたら。

「……静かにしてろ」

大悪魔、黒瀬拓也から命令が来ましたよ。

「……っ!?」

耳横は〜〜!!だめって言ったデショウ!?
黒瀬拓也(大悪魔!)さん!

また、私は瞳をガン開き───ではなかった。

床を見るだけなのに。
顔や、耳は、真っ赤に染まり。

耳元にあった声が頭の中に響く。

“静かにしてろ”

……っ。
ずるすぎでしょ……!?


なんて、思っていたら。