「ねえ。俺にも付いて───── 「嫌です」
「あれ?ねえ、敬語じゃなくて、普通に───── 「します」
「……だから!!別々にしたほうがいいと思いますけど!!?
皆様、黒瀬拓也様のことを神々しい瞳で見てますけど…!!?」
そう…“皆様”。
保健室で包帯巻いてもらい終わって、廊下、歩いてたら。
そりゃそうですよね〜。
こんな瞳まである髪を伸ばしてても、綺麗な顔って。
やばいしか語彙力ないけれど。
やばいよね……。
と思ってたら。
どーん!
とぶつかりました。
私のおでこと、誰かのお腹が。
さぁ!さてここで、日向十夏さんに問題!
えっ!?
日向十夏さんは誰とぶつかったデショウ!
えっ……!?
……いや、出題者だれ!?
さぁ……誰デショウ!?
「……いったっ…」なんて私は声に出してるけど。
視界に見えるのは。
爽やかそうで、心配した顔が私の視界にあった。
ネクタイの色は。
私の隣のクラス=2組=赤色のネクタイ。
すごく似合っている。
金髪で、赤色。
「Are you OK?」なんて言いそうだけれど、目の前にいる男子は、
正真正銘の日本人で。
「大丈夫ですか?」
と言いながら、私に手を差し伸べる赤いネクタイをした金髪のイケメン?
だけど。それは─────────
「ねえ。お前、俺の『姫』に近づかないでくれる?おにーさん?」
────────── 私の『騎士』様が許さない。


