「俺の妹が可愛くてな〜?!」なんて俺の耳に大声で聞こえてくるのは、日常茶飯事。

……もう知ってんだけど?
って言いたいのに、圧というものが強くて、何にも言えない状態になる。

だけれど、俺は何回も俺に言うから気になったので、その写真を見てみた。

その瞬間。

心臓が射抜かれた。
いや、全部の体が携帯に載っている写真に鷲掴まれた。

そして、なぜか、懐かしい気持ちが沸々と湧き上がって来た。


「おい…。晴翔」

「……?なんだ?」
「その妹、名前は?」

「……お前、もしかして……!」

「名前は?」

「俺の妹に──────「名前は?」

俺はその妹の名前を聞きたいのに、今、お前の、晴翔の妹愛は、後で聞くから。
早く、名前を──────「日向十夏。俺の妹の名前だ。お前が守りたいのはよく分かるが───」


………日向、十夏。

気のせいか。懐かしい気持ちは。


〝十夏〟同じ名前。

けど、苗字は────違う。

違っていても。

懐かしい気持ちがあるならば────


「「───俺が一番に守るんだよ。」」

……ほぉ?

「言うじゃねえかよ。晴翔。小学生以来だな?こんな喧嘩は」

「あぁ。やんのか?あ゛?」

「ちょいちょい!やめな!」

「止めんなよ!───!」
晴翔が、ブーブーと愚痴をある女に言ってる。


ある女?そんな名前じゃねえよ。

……やつは───俺の───「や!」

「拓也!!!!」