「これ、何?」

なぜか、私の───じゃなくて、僕が不味いと思っているものを持っているクラスメイト。

な、何で……!?
えーっとでぇすねえ……。

ど、どこにありました!!?

「ここ」
クラスメイトは今、立っている床を指しております。



「あ、アハハハ……。何で、僕のって分かったの?」

平常心。平常心。
これは先に焦ったら終わりな感じがする。

「んー?……晴翔の胸が大きくなってたからーかな?」

チャラい。
僕の胸見てるし。

気持ち悪い。

でも──────バレたら、しょうがない!!


「あの、拓也!秘密にしててくれ!」

「えー……やだ」

最後、ニカって笑ったぞ!?
チャラい男!黒瀬拓也!!!?


「お願いだ!!」

僕は………〝女〟だ。

そうです。女です。
お兄ちゃんに一生、呪ってやろうと思っている女です。

一人称も僕じゃなくて、私が良いです。


そう。わたくし、日向十夏は、日向十夏のお兄様に裏切られました。


裏切られた日のところまで、少し遡る───。