『え、アンタ達もう両想いになったの?みあ、ちょっとちょろ過ぎじゃない?』

「う、うるさいなぁ!父さんも母さんも漣のこと何で今まで黙っていたのよっ」

『…へぇ』

テレビ電話越しに母さんが思いっ切りニタニタしている。

「なによ」

『いやぁ。みあ、漣の事もう『お兄ちゃん』って呼ばなくなったなぁと思って』

「っ!」

母さんとの通話なのに思わず『漣』呼びしてしまった事を指摘されて、恥ずかしさで途端に顔が熱を持つ。

「母さん、みあのことあんまりからかわないでよ。なぁ、みあ」

隣にいる漣が幸せそうにわたしの頬を指でツンツンしてくる。

「ちょっ、れんっ!」

『うわぁ、見せつけてくるわねぇ』

「というわけで、母さん。賭けは俺の圧勝ってことでいい?」

『はぁ、仕方ないわね』

「もうっ!母さんも漣もわたしを除(の)け者にしないでちゃんと説明してっっ!!!」

『あ、ごっめーん。そうね、みあは何も知らないんだったものね。じゃあ順を追って話すわね』