「…へ?」

毛布を持って床に移動しようとした漣の動きがピタリと止まる。

「れんもねるのっ!いっしょに、だきあって!」

わたしは半分夢の中。どうやらわたしは寝呆けると途端に大胆になるらしい。

「だ、抱き合ってって…!!そんなの無理に決まってんだろっ!」

さすがの漣もタジタジだ。

「なんで…?れん、みあのこと、きらいなの…?」

「好きだから無理なんだろっ!みあ、頼むから今晩だけでいいからひとりでっ、」

グズグズしだすわたしに今度は漣の方が成す術(すべ)がない感じだった。

「れんっ!!」

「うわっ!」

「れん、だいすきぃ〜、むにゃむにゃ…」

勢いで漣に抱きつき、再びふたりベッドに倒れ込むと、わたしはそのまま深い眠りについた。

「…マジかよ」

漣はというと、翌朝わたしが目を覚ますまで必死に何かに耐えながら一睡も出来ず途方に暮れていたという。