数度の瞬き、のち。
ふ、とわたしは眉を下げた。
若サマがどういった意図で言ったにしろ、若サマがわたしという理由で不快にならないと知って、なぜか力が少しばかり抜けてしまったのだ。
呆れた、とも違う。仕方がない、という諦観でもない。
これは、…………、なんだ、ろう。
「……える?」
「えっ、あ、はい!そう、ですね……、」
若サマの呼びかけに、慌てて我に返った。
いけない。こんな答えが明確かわからないものなんて、考えてる暇なんてないのに。
さて。
緊張がある程度ほぐれてきた今、何を聞くべきか。
……いちばん最初に切り込むのに最適かつ、これからの質問の妨げにならないような、そんな、ある種大きな範囲の答え合わせになるもの。
………、琴や祐庵会の人たちが所持していた物とは違う銃。異様に目立つ洋館。放っておかれている個人情報。たったひとりの側近。私用と仕事用で色が違う車。彼を証明するものであるのに、身につけていない指輪。
答えとしては呆気なく、そして、わかりきったこと。
それは。
「若サマは、東歌組の──────囮、なのでしょうか」



