「……える、喵からは七席についてどの程度聞いている?」
「ええと、裏社会の人間を見張るために設けられた立場だとお聞きしました」
「ほんとにざっくりすぎんだろ……」
睿霸の訴えをまるでないもののようにしてわたしへ向き直った琴を見て、ほんの少し睿霸が不憫に思えた。
琴、睿霸への対応が、初期と比べてだいぶ雑になってきてる……。
「……七席は、こちら側の管理者という立場にいるが、その実態はおおよそ〝掃除屋〟だ」
「そうじや?……というと?」
「……表側が秩序という盾で、見せかけの平穏に浸っているように、こちら側にもある程度の秩序は必要だ。……それは理解できるな?」
「はい」
「それを〝掃除〟という名の〝排除〟という形で維持するのが、上から与えられた七席の役割だ。……あまり規制をかけすぎると反発が起こるために、同業の中で噂が立ち始めた人間を主な対象としている。……なかには話し合いで済ませられるものも存在はするが、相手が相手なだけに、そういった例はほぼ存在しない」
「……へえ、」
そんな特殊なことをしているなんて、知らなかったなあ……。
……まあ、でもご実家の方から出てきた睿霸の本業は、たぶん違う、とは思うけど。
なんてことを思案していたら、琴が付け加えるように身を乗り出した。
「ちなみに補足として言うと、いま組の傘下にいる連中は、昔ちょいやらかして、掃除ほどではないものの要監視対象になった奴らな。んで、しばらく目の届く傘下扱いにして時々監査入れるんだよ。えるに任せたおつかいみたいな感じで。七席って特殊な立場にあるから、上に同族増やすなって言われてて組自体の傘下はいねえし、………人員は増えねえし……、傘下っつー立場使って、危ねえ奴らをコキ使うしかねえし……」
「お、おつかれさまです……」
なんか、琴の最後の言葉のすべてに疲労が滲んでいた気がする……。



