短編 先輩様、ケダモノ。


なんて言えれば………私の心の中のいる黒いもやは消えるのだろうか。


「せ、先輩。あ、あの……バレンタインチョコ何個、もらいましたか?」

「んー……?ほら、手動かして」

「せ、先輩、焦らさなーーーーーーーーーーーー「1個も、貰ってねえよ。」

……っ!!?

何でびっくりしたのだろう。

でも、自分が、一番思うのが。
ーーーーーーーーーーーーまるで、私に言っているかのような声だった。

そんなの、あり得ない。私に言うなんて。
まず、その言葉が私の心の中に響いた。

でも、聞きたい。
先輩が、何で1個も貰っていないのかをーーーーーーーーーーーー「先輩?ほ、本当ですか?」

「ほんと」

「本当の本当ですか」

「本当の本当」

じゃあ、チョコ貰ってないってことは、好きな人にしか貰わないってことですね!?
私はそんなことを口に出した。

そんなこと?

いや、そんなじゃない。
私には致命的だ。

嫌だ。

聞きたくないーーーーーーーーーーーー「そうだよ」

ーーーーーーーーーーーー引きずらないで、白咲心。
そんな言葉が私の心の中で響く。

でも、すぐに終わった。先輩が私に言ったのだ。



「こんなにも、面倒くせえ勉強に付き合っていても、好きな人は笑ってんだよ。可愛すぎだろ。白咲心って。
白咲心。……名前負けしてるって言ってるくせに、こんなにも、俺の目の前で可愛い顔して。
恋しちゃってます。みたいな顔して。こんなの、理性切れっぱなし」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーえっ?

ちょ、ちょっと待って?

「せ、せんぱーーーーーーーーーーーー「俺以外の男が触ったら、俺の心の中にある元不良のときの感情が蘇るし、」

「せ、せんぱーーーーーーーーーーーー「はーっ。俺早く言いたいんだけど。心が、先輩、先輩って読んで。うるさい。」

「ご、ごめーーーーーーーーーーーー「先輩じゃなくて……」

………?


「……蓮って呼んでくれない?」



……っ!?

「そ、それは無理ですよ!?」

「ねえ、俺が言ってる意味分かる?」

「?」


「俺のものになって?白咲心さん?」

ニコッと笑うのがズキュンっと私が射抜かれるのは。


もうすぐ。

そして。


「心の口の中はチョコの味がする」

「可愛い。マジで可愛すぎるだろ。」


「ねえ、そんな顔してるとーーーーーーーーーーーーーーーーーー襲うぞ。馬鹿。」
なんて、そんな先輩の口から聞けるなんてもうすぐ。



【先輩様、ケダモノ。】ー終わりー














**