嫌だ。



嫌だ。


認めたくない。


こんなのあり得る?


やっと、男運が回ってきた!と思ったら、勉強ダメ、男運もダメって……なにそれ。

勉強、先輩に教えてもらって。

先輩が私の運命の人って思ったら。

“ごめん。好きな人いるから。”

ーーーーーーーーーーーーたった、5ヶ月で終わった。
いや、1年以上。………うん。長い。

やばい。頭にリピート再生される。

“ごめん。好きな人いるから。”

“ごめん。好きな人いるから。”

“ごめん。好きな人いるから。”



うるさい!!!うるさい!!!!


好きな人って誰……!!!
馬鹿!嫉妬してどうする!!!!

先輩の恋を応援しなきゃ……しな、きゃ。


私はその思いを胸に閉まって、自分の教室に入った。

入ったら、入ったで、私のクラスの皆様は、バレンタインのために外に出かけているから、机がら空き。


1番は私か。


いつもそうだ。私が1番。
だって、学年で唯一、男運が弱い人ですから。

「はぁああああああー」

深いため息を吐きながら、私は自分の手を見る。

あははは……。

「本命チョコです!」っていうだけなのに。
言えないとなると、こんなに苦しいんだ。


私は、好きな人がいた。
そう。先輩。

神代蓮先輩。

そう。先輩。
私の一個上なのだ。

でも、名前からしてイケメンですが。
私が分からないところを毎日、放課後、教えてくれております。

顔は眼鏡をかけていても、芸能人級で、運動も出来る、勉強も出来る。
完璧人間。そう言っても過言ではない。

最初、それを聞いた時、本当か?
と思ったが、本当だった。そして、運動をしている時、私は、先輩の笑っている姿にズキュンっ!ってすごく強く勢いのある矢に私の心臓が当たった。

そう。一目惚れを果たしたということだ。

だが、神代先輩は、好きな人がいる………。


もう叶わぬ恋だと薄々気付いていた。
だって、学校中でもう知れ渡っていたのだ。

私が入学して間もないころに……噂が知れ渡ったのだ。

『神代蓮に好きな人がいる』と。

私も知っていた。
でも、神代先輩を放課後独占出来るって思ったら、心がマシになる。