引き取るにしても血が繋がっていない以上、小さな頃に引き取ったとしても真実を知る日がくる。
それに子どもを育てるだけの経済力や家庭環境がなければいけないと聞く。
「そんな時、伊月と出会ったの。最初は濁っていて、この世の全てを恨んでいるような目をしてたわ」
きっとご両親を亡くしてそんなに時間が経っていないからだ。
「でもそんな伊月の濁った目の奥にはとてもまっすぐな綺麗な凛とした光があることをわたし達は感じた。この子は一人になっても決して生きることを諦めていないのだと」
「その光を信じてわたし達は伊月を引き取ることに決めた。その時に知ったの。伊月のご両親があの事件で亡くなったことを」
伊月の目が濁っていた理由は、ご両親を理不尽な事件のせいで奪われてどうしようもなく足掻いていたから。
10歳だった少年が到底、受け入れられるわけなんてない。



