両親は死んだのに自分だけが取り残されて、そんな絶望している世界で生きてかなくちゃいけない。
どれだけ願っても嘆いても怒っても、両親が戻ってくることはない。
あまりにも無常すぎるその現実が伊月を壊してしまってもおかしくないくらいだ。
「でも10歳の時に施設から俺を引き取りたいって来てくれた人がいたんだ。それが俺の今の両親」
先ほど出迎えてくれた人達だよね。
「どうにもならない現実を恨んで憎んでイライラして暴れていた俺をあの人達は引き取ってくれた。その優しさにも当時の俺は気づけなくて暴れてばかりだった」
確か大きくなり物心がついた子どもは引き取られにくいと聞く。
もう既にある程度分かってしまっているため、違う人と生活していくことが難しいのだと。
「きっと誰にも引き取られず1人で生きていくんだと思ってたから驚いたよ。その頃の俺は本当に無茶苦茶だったから」



