「ずっと犯人を恨んでた。俺がこの手で殺してやりたいって。両親がどれだけ辛い思いをして死んだのか味合わせてやりたいって」
彼の瞳には今まで感じたことがない冷たさが宿っていた。
小さかったとしてもその憎しみは間違いなく本物だったはず。
個人的な逆恨みで何にも関係がない人達が大勢亡くなって、一瞬にして当たり前だった幸せを奪われた。
「身勝手な理由で俺の両親は殺されたのに、そいつに復習することすら許されないこの世界にも絶望して全てを恨んでた」
分からない、彼がどれほどの想いを抱いていたのか。
私のお母さんが亡くなった時とは状況が違いすぎる。
信頼できる人が手を尽くしてくれて、それでもあの時代では救うことができずに亡くなったお母さん。
いきなり理不尽な理由で幸せだった人生を奪われた伊月のご両親。



