「それって....!?」
「うん。高層階のオフィスにいた父さんと母さんは逃げ遅れて亡くなった」
「...........」
あまりの出来事に言葉が出てこなかった。
大々的に報道されていたような大事件に伊月のご両親が巻き込まれて亡くなっていたなんて....。
しかも事件が起きたのは10年前、つまり伊月はまだ8歳....。
「あの日学校から帰ってきて家に両親はいなくて、夜になっても帰ってこなくて俺はずっと泣いてた」
いつまでも両親は帰ってこなくて、1人で待ち続けるなんてどれほど辛い思いをして過ごしたんだろう。
その時の彼はどんな想いで帰ってこない両親をたった1人で待ち続けていたんだろう。
「その日の夜に家のチャイムが鳴って、ドアを開けていたのは両親じゃなくて制服を着た警察だった」



