あの当時の技術ではお母さんは救うことができなかった。
それは変わりようのない事実で、全力を尽くしてくれた先生達を私は誇りに思った。
だからこそお父さんも親族の人も先生達を責める人なんていなかった。
「医者になりたいとも思ったけど、私の実力では無理だと悟ったから別の道を探そうと思ったの」
それに医学部に行くにはあまりにも費用がかかりすぎるから、うちの家計的には難しい。
もちろん私の頭脳ではなれないこともあるんだけどね。
「その時に思ったの。お母さんみたいに病気で苦しむ人は世界中にいる。だったらその人達の光になれる薬について詳しい人になりたいって」
医療技術で治せる人もいれば、薬があれば助かる人だっている。
だったら医療技術を身に着けることはできないけど、薬について詳しくなり1人でも病気で苦しむ人を助けたいと。



