「朱音は大学に進学するの?」
「うん、空琳大学の薬学部にいきたいと思ってる」
そういえば伊月とこんな進路の話をしたことなかったなと思い至った。
いつも何もない会話をしてるけど。
「薬学部...?なんか意外だった」
「よく言われる。でも、入学した時から一貫してこの進路は変わってないんだよ」
薬学部を目指す人が周りにあまりいないんだよね。
クラスの中でも私だけだよって先生にも教えてもらったし。
「へぇ。理由を聞いても?」
一瞬、話すかどうかを迷ったけれど、今のこの柔らかい空気なら話せる気がした。
こんなこと言われても彼は困ってしまうかもしれない。
話したからと言って彼に何かを求めるわけでもないから。
「重く受け止める必要はないから、サラッと聞いてね」
「....分かった」



