その日は翔湊だけ部活があったから優月と女子ふたり。

最近できたというクレープ屋さんに行った。

こういう情報が回ってくるのは大抵というかもう優月だからわたしは全くの流行遅れなんだろうな。

でももう死ぬんだから流行とか波とか、そういうのはもう関係ないけど。

わたしはホイップバナナいちごチョコソースを頼み、優月はホイップもちあんこ黒蜜を頼んだ。

ベンチに座ってできたてのクレープを口に運ぶ。

一気に甘さが広がって、フルーツのフレッシュさが口を満たして幸せにする。

それから時々優月と分け合ってお互いの味を食べ比べたりもした。

これが初めて友達という関係性を理解した時だと思う。

ひとりじゃなくて何人かと一緒にいるのも悪くない。

どうしてわたしはそんなことを放棄してきたのかな、と今では後悔すら感じられる。