「俺がクロエに渡す」「じゃあ俺はクリスだ」と言い合う声が店の中まで届き始めた。名前を呼ばれた2人はその声の主に気づき、バタバタと店の扉に向かって走っていく。バンという音とともに勢いよく店に入ってきたのは私とエドの父だ。


「クロエ〜!! サラじいちゃんが薔薇の杖を買ってきたぞ!」
「クリス〜!! エドしいちゃんがドラゴンの剣を買ってきたよ!」


 たくさんの買い物袋を汗だくになって抱えている2人は、目の前にいる双子を見つけると満面の笑みでお土産を渡し始める。


「「やったあ! おじいちゃんありがとう!」」


 たったいまおねだりした物が手に入った子供達は、大喜びで杖と剣をぶんぶんと振り回し中庭に走っていった。「おばあちゃ〜ん」という声が遠くから聞こえてきたので、母達に見せに行ったのだろう。それにしてもお父さん達の荷物が多い。よけいな物を買ってないといいけど。私は腕組みしながら2人を問いただした。