でも、ここでビンタをする勇気がある私じゃない。

なのでノートを取り出し、ページ一面に自分の名前を書いて桐ヶ谷斗真に見せつける。


「華月 遥《かづき はるか》です!!」

「イケメンだからって周りに興味ないクールキャラでずっとやっていけると思うなよ!」


思いっきり息を吸う。


「誰?は人を傷つけるんだよ!」

「この後、家帰って泣くわ!」


私はすでに泣きながらそう叫んだ。