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 翌日になり、朝起きると優也くんがキッチンに立っていた。


「おはようございます、優也くん……朝ご飯まで作ってくださったんですか?」

「あ、おはよう郁花さん。うん、迷惑だったかな?」

「いえ、ありがたいです!」


 優也くんにそう言うと顔を洗いに洗面所で顔を洗う。そしてリビングへ戻ると、お出汁のいい匂いがしてくる。


「和食ですか?」

「うん。豆腐があったので豆腐の味噌汁を作りました。あと冷凍のほうれん草でお浸しにだし巻き卵と高野豆腐煮にご飯です。お口に合うといいんだけど」

「匂いだけで美味しそう」

「良かった」


 私は味噌汁に口をつけるとお出汁の香りが口いっぱいになる。


「美味しいです……! こんなに美味しいの初めて」

「本当に? 良かったぁ」

「本当ですよ。とても美味しいです」


 どれも美味しくてペロリと食べ終わってしまった。