それからまた仲良く部屋に戻ると自室に入る。仲良くなれそうだけど、初日から二人で話すのはまだ無理そうだ。

 ルームウェアに着替えて夕食までは教科書などの確認や学校のルールなどを確認をしたり家族に【入学式終わりました】と連絡を入れたりしていればもう外は茜色に染まっていた。


「優也くんはご飯どうするんだろう……? 食堂でもあるって聞いたけど、料理できるなら自炊かな」


 優也くんのことを考えているとタイミング良くドアがノックされた。


「郁花さん、夕食作ったんだけど食べる?」

「私の分も作ってくれたんですか?」

「うん、そうだよ。一人も二人も同じだからね。食堂で食べる予定とかあったかな?」

「いえ、夕食どうするんだろうって思っていたので……優也くんのご飯楽しみです。ありがとうございます」


 私はスマホをポケットに入れて自室を出た。