「あぁっ……優也くんっ! 焦げちゃいました!」


 それから数日、私は寮へと帰ってきた。まだ夏休みは終わっていないけど優也くんが寮に戻るってメッセージをくれたので私も戻ることにしたのだ。


「郁花ちゃん、大丈夫だよ。落ち着いて」

「うん……あああ、順調だったのに!」

「失敗はするものだよ。これは僕が食べるから」


 そう言って優也くんはケチャップライスに卵を乗せた。彼も綺麗にしたフライパンにバターをひくと卵液を流し込みすばやく菜箸でかき混ぜてチキンライスに卵を乗せた。


「天と地の差……」

「大げさだなぁ、郁花ちゃんは……ケチャップでなんか描いてよ。僕、そういうの苦手で」

「うんっ、それならできそう」


 私はケチャップを手に取ると、私の焦がしてしまった卵のほうに書き始めた。


「……うん、出来た。優也くんは私のところに描いて」

「え、これ……」