頑張ってオムライスを完食してお金を払ってお店を出た。なんとなく寮に戻るのは嫌で、近くにある公園へ向かった。

 キッチンカーでカフェラテを買い、ベンチに座る。お休みだからか人がたくさんいて行き交っている。公園だから家族づれも多いけど、夕方だからカップルも多い感じだった。


「……郁花お嬢様?」


 名前とお嬢様セットで呼ばれてビクッとする。だれ? もしかしてお父様が私を探しているのだろうか……そう思い、顔を上げるとそこには家政婦のサエさんがいた。


「さ、サエさん……どうして……」

「私は今、主人とデートなんです」


 主人、ってしかもデート中なのに。