「――郁花のお相手を調べさせてもらったんだ」 「え? 何を勝手に!」 「マッチングなんて信用できなくてね、どんな相手なのか知りたかったんだ……そしたら、大家族の次男で貧乏な家庭らしいじゃないか」 何それ……知らない。 「知らなかったのか?」 「……っ気持ち悪い」 「そうだよな、今からでも遅くない。違う学校に……」 「気持ちわるいのは、お父様のことよ! そんな勝手に彼を調べて! お父様が見てるのは、家柄だけ。家柄だけの相手と結婚しても私は幸せにはなれないと思う」