行き止まりにあたって、そこでようやく立ち止まる。
溜息をついて辺りを見渡してみると、ここは朝なのに薄暗い。
取り敢えず一つだけある窓を開けて、外を確認してみる。
「裏庭…?」
雑草や細い木が生い茂っていて、
キラキラしている学園にも暗い場所があるんだ…、と妙に納得してしまった。
だが、これでは場所は分からない。
ここから飛び降りて、表に回るわけにもいかない。
広い庭なんて余計に迷子になりそうだ。
“ずっと後を付いてきている人も助けてくれそうにないし”、窓を閉めて引き返そうとした時、急に背後に気配がした。
「っ!?」
ビックリして振り返ると、そこにはボサボサ頭で顔の半分が隠れた男が立っていた。