初恋わすれ

「初恋……リョウの背中に忘れてた」

リンは、小さな声でそう言うと、リョウの首に回した掌に、ぎゅっと力を込めた。

リョウは、耳まで真っ赤になりながら、小さく呟く。

「もう、僕達の初恋……忘れんなよ」

リンが、カロンと飴玉を転がす。

「うん……リョウが大好きだよ」

耳元から聞こえる、リンの甘い声と、イチゴミルクの甘酸っぱい香りを確かめるように、リョウが振り向くと、リンの唇が、頬にそっと触れた。