「えー……というわけで、本日は『武藤瑞紀の人生を振り返ろうの会』にお集まりいただきありがとうございます」


「なんで名前付けたんだよ」


「盛り上がるかなと思いまして」


「名前だけ聞くと盛り上がりそうにないけどな」




学校が休みの今日。

数馬は昨日言っていた通り、本当にわたしが気になっていた豪華なケーキが食べられるカフェを予約してくれていた。


わたしがちゃんと話をしたいと言っていることを、真緒には数馬から伝えてもらった。

それでも来てくれなかったらどうしよう……と思っていたけど、真緒は数馬と一緒にちゃんとやって来た。


それどころか、昨日みたいに機嫌の悪い様子もなく、普通にわたしとも目を合わせてくれた。



「ねえ、その前に早くケーキ注文しよ? カズのおごりなんでしょ?」


「だからおごらねえよ。なんでお前ら同じこと言うんだよ」




真緒と数馬がいつも通りにじゃれ合ったりしつつ、ようやくケーキを注文する。


しばらくして、真っ赤なフランボワーズのソースがつやつやした、綺麗なケーキが運ばれてきた。