「あ、そうだ新那。毎年恒例の誕生日パーティーのことだけど、今年は土曜日だから当日集まる感じでいいかな?」

購買で買ったパンを食べながら新那に問う。


「もちろん大丈夫だよ」

「誕生日パーティーって誰の?」

「7月10日。瑠佳ちゃんの弟、志貴の誕生日パーティーです」

「そんなことも知らなかったんですか?」と謎のマウントを取る新那。

「それって俺も行っていいやつ?」

「いいけど、ただの誕生日パーティーだよ?」

「弟とは軽く挨拶しただけだろ。昨日のこともあるし、ちゃんと話しておこうかと思って」

前に一度、家まで送ってくれた怜央と買い物帰りだった志貴が偶然顔を合わせたことがある。

その時、2人は軽く会釈を交わすだけだった。



「でも、毎年3人でやってるなら遠慮する。弟と会うのは別の機会でもいいし」

「それなら大丈夫。今年は志貴も友達を連れて来るみたいだから。しかも、女の子……彼女かな?」

「え、志貴に彼女?」