「ねぇ、知ってる?」

ここは教室。

「なんのこと?」

そう聞き返すのは私。


放課後特有の独特の静けさの広がるこの場所は、何処か異空間に飛ばされたような感覚に陥らせてくる。


「この学園に伝わる七不思議みたいなもの」

質問されても分からない。

放課後の静まり返った教室に二人の話し声が響いている。


私が、知らないと言うように首を横にふると彼女はもう一度口を開いた。

「そっか、知らないか。まぁ、最近は語られてないもんね。」

「じゃあ、僕が教えてあげる。」

別に知りたいとは思わない。

けど、特に用事もないから、まあいいか。


そんな私の思いを悟ったかのように、彼女はまた口を開く。