翌朝、不思議なことが起きた。



「どこへ行く気ですか皇羽さん…!あなた今、熱があるんですよ⁉」

「うっせぇ…熱だけだろ。大したことねぇよ」



朝の七時。着ていく制服がないものの、とりあえず学校の準備をしている私の横を、顔を真っ赤にした皇羽さんが横切った。


やっぱ風邪引いたか…と同情していると、驚くことに靴を履いている。へ?どゆこと?



不思議に思った私が事情を聴くため尋問し、冒頭の会話へ戻る。



「体温計で測らせてください!風邪薬も飲まないと、」

「体温計も薬もねぇよ。今まで風邪ひいた事ねぇもん」



「……本当に人間ですか?」

「お前なぁ…」



はぁと、ため息一つはいた皇羽さん。その息も、すごく熱くなってる。首に手を当てると、あったかい…どころじゃなくて、熱すぎる。