皇羽さんが Ign:s に加入して、世間が大きく騒いで…そしてしばらく経った頃。


学校にそのままの状態で残っている空席の皇羽さんの机を、私はやっと見ることが出来た。


そこには――



「麗有くんが Ign:s だったら最高!」
「ずっと応援してます~!」
「貴重な時間をありがとう…!!!」
「また学校で会えたら昇天します」



皇羽さんを否定するような事は何一つ書かれていなくて…。むしろ、応援メッセージばかりだった。それは学校だけでなく、世間も同じなようで。



「レオの一途に頑張る姿も、それを密かに支えてたコウの努力も…すべてが尊いです」
「兄弟愛ですよね…美し過ぎます神です」
「さっそくコンサート応募しました!!!」
「楽しみ過ぎて不眠です!幸せです!」



世の中が、また一歩。

Ign:s を好きになり、そして彼らを応援する。私はもちろん…その流れに「良かった」と安心した。



――最初の頃は。