「いらっしゃいませ~」
「今日も元気だねぇ萌々ちゃん!あれ?でもちょっと顔が赤くない?大丈夫?」
「あはは…!大丈夫です!」
現在、バイト中。
皇羽さんがコンサートで家に帰らない間に私はバイトを見つけ、借金返済のためにせっせと働いています!
ちなみに何のバイトかと言うと…
「にしても、娘の作った服がこんなに似合うなんてねぇ。娘の趣味に付き合ってくれてありがとうねぇ、萌々ちゃん」
「いえ!私こそこんな可愛い服で働けるなんて嬉しいです!」
ここは小さな喫茶店『Lotory』(ロトリー)。
店長は60後半の優しい紳士な男性で、真島 正浩(まじま まさひろ)さん。娘さんは秋奈(あきな)さん。
秋奈さんは服を作るのが趣味だけど、その趣味を活かせる機会がなかったらしくて。
その時に店が軌道に乗り始め、人手不足を解消するために雇ったバイト。それが私。
その私が、毎日代わる代わる秋奈さんが作った服を着てお店で仕事をしている…というわけです。