私が何とか状況を飲み込もうとしているのを見ていた、大人っぽい男子が一冊の本を取り出した。

「ちなみに僕の好きな作家さんはこの人」

私はその本を見て飛びついた。


「私も好きです!文章の繊細さの中に構成の大胆さもあって素晴らしいですよね!」


私のテンションの変わりように3人が絶句している。

あ、やっちゃった。


「あ、ごめんなさい・・」


私は小さくそう呟いて、恥ずかしさに俯いた。