「なんで?」

「お前の様子がおかしいからだろ。二人も心配してたぞ」

「大丈夫・・」

私がそう言うと、暁くんが私の頬を思いっきりつねった。

「いたっ」

「部活は部員どうし協力するものだと思うけど」

「そうだけど・・」

「自分だけ常に頼られる側でいたいなんて馬鹿な考えはやめろ」

「私、部長だよ」

私の目から涙が溢れる。

「部長なら部員に助けられてろ」

暁くんが座っている私に合わせて屈《かが》んだ。





「俺の前で意地を張るな」





ああ、優しいな。

そりゃ学年の女子が王子様だって騒ぐわけだよ。