作業を始めてわずか30分で手は止まった。

「こんな作品じゃダメだよね」

自分が嫌になる。

私じゃなくて、暁くんが部長の方が相応しいじゃん。

私は涙で滲んだ目をゴシゴシと擦った。





「野々花」




いつの間にか部室の扉が開いて、暁くんが立っていた。