「そうなの? ちなみに、何分で?」

「3時間くらいかな」


予想をはるかに上回る時間が返ってきて、またも目を見開いた。

私が6時間かけて読んだ本を半分の時間で⁉ 理解できてるのかな……。

と思ったけど、勉強するのも趣味なんだっけ。それなら情報処理能力が高いのかも。


「そ、そっか。どうだった?」

「面白かったよ。家具のベストな位置とか方角の意味とか。理にかなってる内容もあってすごく読みごたえあった」


淡々と感想を述べて顔を洗いにいった宇佐くん。

楽しめたのなら良かったけど……。

なんとなく心の壁を感じるのは、まだ彼の笑った顔を見たことがないからなのかな。



「生徒諸君おはよう! 学校生活には少し慣れたかな?」

「今日は特別イベントのお知らせに来たわよー!」


ホームルーム中、委員会決めをしていると、いきなり学園長達がやってきた。


「私達は考えた。君達が真実の愛に近づくには何が必要なのか……」

「そして気づいた! それはお互いにときめくシチュエーションだということを……!」