翌週 コンペ当日の朝
鴇田(ときた)にちょっと話があるんだけど、小会議室に来てくんない?」
明石は営業部の鴇田に声をかけた。
「なんすか?」
今 周と一緒に動いている案件のない鴇田は、会議室で着席するなり怪訝な顔をした。
「鴇田、今日のコンペの進行役だろ?それ俺と代わってくんない?」
「…なんでですか?」
「ピーコックの商品力強化のため。」
「意味わかんないから無理っす。」
鴇田は断って部屋を出ようとした。
「お前また言われてんだろ?目白さんに、発表の順番操作しろって。」
「………。」
「いつまでそんなことやってんだよ。若い部下にそんなことさせる営業部長が一番悪いのは当然だけど、そこから抜け出さない鴇田も他のヤツらも悪いよ。」
周は呆れた口調で言った。
「…明石さん、何するつもりなんですか?」
「べつに。発表の順番を入れ替えるだけ。」
「………。」
鴇田は少し考えた。
「…もしかして、鷲見さんと福士さんですか?」
「鋭いな。」
鴇田は周を睨んだ。
「明石さん、福士さんと付き合ってるんじゃないですか?偉そうなこと言って、目白部長と同じじゃないですか。」
「さすが鴇田、俺のことに詳しいな。」
明石が揶揄(からか)うように言ったので、鴇田は少しムッとした。
「まぁそれは冗談として、福士さんと付き合ってるからそこは否定できないけど、そんな私情でこんなことしない。」
「どうだか。」