少し列に並んで、ようやく……いや、もう順番が来てしまった。 「やっぱビビってんなら、乗らなくても……」 「いや乗る!」 一回決めたし、並んじゃったし! 「……そうか、じゃあ乗るぞ」 なんと運の悪いことに、私たちは一番前の席になってしまった。 席に座って、ベルトをしてバーを下ろして……今にも、泣き出しそうになるぐらいの恐怖に震えていた。 「泣きそうじゃねぇか、バカだな」 「っ、バカじゃない!」 「ほら、手、握ってあげる」 急な優しい声出して、また手を差し出してきた彩くん。