「彼女とうまくいってないんだよねー、君みたいな子、タイプだし付き合いたいなーって」 「あ、あの、彼女さんいるのにそんなことを言うのはっ……」 「文句あんならきてよ〜」 「えっ?」 前から手が伸びてきて、 手首を掴まれそうになった瞬間だった。 ギュウッ 後ろから、誰かに抱きしめられて、視界が真っ暗になる。 「俺の嫁になんか用か?」 明らかに低い声。 聞いたことある、これ彩くんの声だ。 「あ、なんだ彼氏持ちかよ……」 「早く行こうぜ」 男の人たちは、どこかへ行ってしまったらしい。