中学時代までは聖也と私は同じくらいの身長だった。


けれど男子は背が伸び始めると早い。


あっと言う間に手の届かないくらいまで聖也の身長は伸びていた。


それと同時に声も低くなり、大人っぽい顔立ちになり、人気に火がついたのだ。


今では聖也目当てで1年D組までやってくる先輩たちもいるくらいだ。


影ではファンクラブもあるとかないとか、そんな噂まである。


「でも、ここままでいいの?」


若葉の言葉に私は首をかしげた。


「このままでいいって、どういう意味?」


「だって、美奈子と聖也くんは幼馴染なんだよね? このままじゃ他の女の子に幼馴染をとられちゃうかもよ?」


小首をかしげて聞いてくる若菜に私はキョトンとしてしまった。


いままで、幼馴染を誰かに取られるなんて考えたこともなかった。


第一、聖也は物じゃない。