「え?!」



私は飛び上がって,部屋へと戻った。

私は今,所謂パジャマというもの。

モコモコに包まれたまま,出ていくわけにはいかない。

蘭華が私を呼んでる??

どおして…



「凛々彩さん!!」

「あ」



そのまま着替えそうだった私に,サムは声をあげて襖をしめた。

ごめんねとやっちゃったなと思いながら,私は手を止めない。

どれにしようか迷い,褒められたばかりの着物が無難だと思うものの,時間がかかるので選べなかった。

真っ白なワンピースを見つける。

腰の辺りに茶色いベルトを締めて,長い髪を高い位置でお団子にして。

それでよしとすることにした。



「サム,場所は?!」



ザンッと襖を開けると,サムが何故か赤くなっている顔を片手で覆っている。

そして勢いよく開いた襖に驚いて目を丸くした。



「えと,食堂…」



じゃあ,こっちかな。

案内しますと声をあげたサムに,私は大丈夫よと返した。