日下組と古立組の抗争は、呆気なく終わった。
主犯の染野希月は、彩羽を撃ったが、それ以上の被害を生まなかった。
すっかり気力を失った奴は、大人しく警察に連行されていった。
ピーポーピーポーという音と共に、救急車がやって来て、慌ただしく彩羽を乗せて去っていく。
一緒に乗ることすらできない、危篤状態だった。
…彩羽が、死んだらどうしよう。
不安が渦巻いて、仕方なかった。
ー「お兄ちゃん、大好きだよ」
愛する妹は、その身を犠牲にして、自分以外を守り抜いた。
あの日、捨てたはずの、幼かった妹が、立派に成長して誰かを守った。
…守ろうとしていたつもりが、逆に守られていたのだ。
ー「行かないで、お兄ちゃん」
手放した妹は、俺が気づかないうちに、優しく強く変わっていた。
暫く放心状態でいた俺のもとに、古立和がやって来て。
思い詰めた顔で、土下座してきた。
「申し訳ありませんでした…っ!
俺のせいで、彩羽が…!」
主犯の染野希月は、彩羽を撃ったが、それ以上の被害を生まなかった。
すっかり気力を失った奴は、大人しく警察に連行されていった。
ピーポーピーポーという音と共に、救急車がやって来て、慌ただしく彩羽を乗せて去っていく。
一緒に乗ることすらできない、危篤状態だった。
…彩羽が、死んだらどうしよう。
不安が渦巻いて、仕方なかった。
ー「お兄ちゃん、大好きだよ」
愛する妹は、その身を犠牲にして、自分以外を守り抜いた。
あの日、捨てたはずの、幼かった妹が、立派に成長して誰かを守った。
…守ろうとしていたつもりが、逆に守られていたのだ。
ー「行かないで、お兄ちゃん」
手放した妹は、俺が気づかないうちに、優しく強く変わっていた。
暫く放心状態でいた俺のもとに、古立和がやって来て。
思い詰めた顔で、土下座してきた。
「申し訳ありませんでした…っ!
俺のせいで、彩羽が…!」