貴方が街を歩けば、いつも死者に会う。

特に道路。

車に轢かれて死んだ奴らがこの街では多い。貴方には、通常の人間には見えない者が見えた。



〝死者〟



それは死者だ。

この世に存在しないはずの者が見える。

半透明で、当たってもすり抜けてゆく。

だが、貴方は怖くなかった。

何も感じない。

可愛くも気持ち悪くもない。貴方は死者をを見る度に思った。

死にたい、と。