【短編】最強総長は隠れ狼姫を惑わしたい。

「いくら《氷龍》が取り仕切ってるっつってもどうしたって取りこぼしがある。そういう奴らがさっきみたいに女子にちょっかい掛けていくだろうって予想しての措置だ。つまりは守るためってこと」

「……つまり、新入生の女子に手を出したら《氷龍》が黙ってないからなって知らしめるためにそういう措置を取ってるってこと?」

「そ、理解が早くて助かるよ」

「……」

 ……まあ、そういう事なら理解は出来るかな?
 でも……。

「でもどうして総長がそこまで考えてくれるの? 得になるような事はないと思うんだけど……」

 その疑問の答えに、あたしはうどんをふき出してしまいそうになる。


「ああ、だって迅さんは生徒会長でもあるからな」

***

 昼食を終えたあたしは一人で職員室に向かっていた。

 圭は彼女とのデートに遅れそうだと言うので、「早く行ってあげな」と送り出したところだ。

 彼女の写真を見せてもらったんだけど、クール系美人さんだった。
 ついでに色々惚気られて本気で好きなんだなぁとほっこりする。

 それだけラブラブな恋人がいて羨ましいなぁ……。


 送り出す際一人で大丈夫かと心配されたけれど、職員室までさほど離れているわけでもないから大丈夫でしょう。

「それにしても総長が生徒会長ねぇ……」

 圭の説明では生徒会長は完全に人気投票で、もはや必然的に総長がなると決まっているようなものなんだとか。
 どうなのそれ? とは思うものの、人気投票ならなっていてもおかしくないのかなとどこか納得もした。