まだ心臓がドキドキしているが、これはいきなりでびっくりしたからか 目の前の男性を意識しているからか。 「今日も読書?…あっそうだ、昨日の本とりあえず俺が借りちゃったんだけど…君も」 「い、いえ大丈夫です。 私は何度も読んでいて、久しぶりに読みたくなっただけなので…」 「そうか、まだ半分しか読んでいないが中々読みごたえがあって面白い」 「そうなんですよっ。主人公の物事の考え方に、ハッとさせられる瞬間が…」 身を乗り出して力説してしまって、気づいたら男性の端整な顔が近くなっていた。