マスターが離れて、晴人さんが改めて店内を見渡す。 「ここは良いね。落ち着く」 「ですよね。私も見つけたとき最高だと思いました」 マスターがコーヒーを入れているのか、いい匂いが漂ってきた。 「今朝は驚いたね。まさか隣人になるなんて」 「そうですね、びっくりしました。引っ越しは無事に済みましたか?」 「うん。荷物は多い方じゃなかったから、すぐに終わったよ。片付けもすぐに済むと思う」 「よかったです。こんな偶然ってあるんですね」