「さようなら…」 その言葉を部屋で呟き、私は東京から遠く離れた外国の地へ向かった。 元親である二人からの慰謝料でお金はそれなりに持っている。 晴人さんのおかげで多額の慰謝料を貰えたのだ。 一番安く、そして出来るだけ安全なホテルを選び、なんとか一息つけた。 数日はホテルに籠っていたが、どうせなら楽しもうと散歩をすることにした。 外は肌寒く、雪が降り積もっている。 吐く息が白い。